私設美術館のその後(沈黙の海へプロジェクトについて)

愛知県一宮市に建つ私設美術館のお話です。

2月の地鎮祭から早3ヶ月、先日棟上げが無事行われました。

地鎮祭の時から胸がいっぱいでしたが、実際に建物が建ってくると、ますます実感が湧いてきました。

2016年の秋に写真集「沈黙の海へ」を出版してから、このプロジェクトがスタートしたのが、2017年の冬。それから打ち合わせを重ね、ここまであっと言う間に月日が流れていきました。

私はずっと「静けさ」をテーマに作品制作を続けてきました。自分の作品を展示し、作品を見た人が静けさを体感できるようなスペースがいつか出来たらと思っていました。それは、選択する間も無く様々な情報が入ってくる現代を生きる中で、時に流され疲れてしまう自分にとっても、静けさが必要だからでした。日々の生活の中で余白となるような空間があれば、それを必要とする人は自分の他にもいるのではないか、と感じていました。

それを「沈黙の海へプロジェクト」として、GALLERYエクリュの森と共に歩んできました。

その話に共感した、以前からの私の作品のコレクターさんが、では第一号は私が作りましょうと名乗りをあげて下さったことで、このプロジェクトが進み始めました。本当に一人の作家として夢のようなお話で、感謝の気持ちしかありません。その後も様々な人の協力があり、無事棟上げまで進みました。自分の作品専用の展示場所ができる、それは幸せな事でもあり、身が引き締まることでもあります。これからも作品制作に全身全霊をかけていきたいと改めて思いました。

順調に進めば秋頃に建物が完成し、2020年の春頃から予約制で観覧が開始される予定です。

この建物には写真集「沈黙の海へ」の全作品(13点)が大きなサイズで常設展示されます。

また進捗状況などお知らせしていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

IMG_1930a.jpg